“薬”という漢字は、草冠に楽しいと書きます。

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 “薬”という漢字は、草冠に楽しいと書きます。
これは草で楽になるというような意味です。
漢方薬は、まさに草・根・木・皮(生薬)から出来ている“薬”です。

遠い昔の祖先が、まだ木の実を採ったり、獣を捕らえて食用としていたころ、
病気になって、苦しまぎれに周りの草を口にくわえもがいていたころ、
痛みがとれたのが薬の最初と言われています。

それがきっかけとなり、いろいろな草や木の皮を食べてみて、
これは何にいいと子孫に言い伝えられてきたのでしょう。
中国の古い薬草書【神農本草経(しんのうほんぞうきょう)】を著したといわれる神農は、
「日に百草をなめたり噛んだりして医薬となるかどうかを験した」といわれています。
 そして一年の日数に合わせた365種類の生薬が、薬効別に、上品(じょうほん)120種、
中品(ちゅうほん)120種、下品(げほん)125種、の3種類にわかれています。
 上品は養命薬で、身体を軽くし元気を増し、不老長寿の作用があります。
代表的なものは、菖蒲(しょうぶ)、人参(にんじん)、甘草(かんぞう)、乾地黄(かんじおう)、朮(術)、蕙苡任(よくいにん)、黄連(おうれん)、麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)、蜂蜜(はちみつ)などです。

中品は養性薬で、病気を予防し虚弱な身体を強くする効果があります。
代表的なものは、乾姜(かんきょう)、葛根(かっこん)、当帰(とうき)、麻黄(まおう)、
芍薬(しゃくやく)、黄芩(おうごん)、防已(ぼうい)などです。
 下品は治療薬で、病気を治すために用いるとされており、代表的なものは、腑子(ぶし)、
半夏(はんげ)、大黄(だいおう)、巴豆(はず)、杏仁(きょうにん)、蟾酥(せんそ)などです。
 このように「神農本草経」では、保健もしくは予防的な薬物が上位に、治療薬が下位に位置しています。

 また、別の漢方の原典である「黄帝内経(こうていだいけい)」には、
天人合一(てんじんごういつ)という、自然と人間は一体であるという思想があります。
 朝明るくなると仕事をして働き夜暗くなると寝て休む。
食事も同様に、身体を動かす朝昼はしっかりとり、休みに入る夕方はやや控えめにとるということです。
 昔は、夏には身体を冷やす食べ物をとり、冬には身体を温める食べ物をとっていたはずですが、
今ではさまざま食品が市場にあふれ、季節感のない食生活になっていることが多いようです。
もっと季節感のある食生活を送るということが漢方の考え方となります。身土不二

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