2019/11/05
春風の速さにとても追いつけぬわが車椅子いのちしばらく
倉地さんは阪神淡路大震災で被災され京都の大原の里に一時身を寄せられていました。
その時に漢方薬のつながりのご縁ができました。
抱くものは小枕ひとつ身をめぐる色相ぐわつと崩れきたるも
折り重なる家財のすきを軟体の老いの身ひとつ這ふごとく出づ
宝塚に戻られてからもたびたびお電話でお話しました。
すこし長いお電話でしたがいつも活き活きとした楽しい時間でした。
歌集もいただきました。
この歌のここが好き ここが面白い などと伝えると
電話の向こうでずいぶんと喜んでいただきました。
食後嚥みし 薬のあるいは副作用 夕映えなでしこいろにひろがる
倉地よね
いまは春の風となられた倉地さんへ
倉地さんからのお便り